シャモニクラブ 山行記録

1月山行・八ヶ岳

日時:1月12日〜14日

参加者:冨田、有村、内山、柴原、藤波、笹川、大橋(幕営)、渡邉、柴崎、長嶌(以上10名)


★1月12日(土)
新宿発あずさ1号利用(冨田、有村、藤波、渡辺、長嶌の5名)、3号利用(柴原、内山、大橋の3名)。茅野よりバスにて美濃戸口へ。
車利用の笹川、柴崎の2名があずさ1号乗車組と美濃戸口で合流する。
10:45 美濃戸口 → 11:30 赤岳山荘 12:45 → 14:20 赤岳鉱泉着。
笹川、大橋は歩くスピードが早く、後続メンバーが鉱泉に到着する頃には既にテント設営も終えていた。夕飯はメンバー全員で小屋の食堂で取り、その後部屋に戻ってロープワークを復習し明日に備える。
1/12 美濃戸口(o)北沢を行く有村、柴崎(n)

北沢 笹川、大橋(w)鉱泉へ、有村、長嶌、柴崎、藤波(t)

大同心遠望(o)赤岳鉱泉アイスキャンディ(o)

3連休初日の小屋は大混雑で談話室やトイレ手前の廊下にも布団が敷き詰められていた。午後9時消灯。

★1月13日(日)
赤岳登頂班(L笹川、大橋、渡辺)
赤岳主稜班(L内山、藤波、有村)
中山尾根班(L冨田、柴崎、長嶌)
地蔵尾根、中岳道 (柴原)
内山、柴原の2名下山後帰京。

★1月14日(月)
夜半より雪が降り続き、予定を変更し下山することに決定。 8時下山開始。10時赤岳荘到着。赤岳山荘にて解散、それぞれ帰途に着く。


中山尾根班 山行記録 冨田(L)、柴崎、長嶌(報告者、写真(n))

13日(日)、4:30起床、6:15出発
6:45 中山乗越に着くと2名パーティが登攀準備をしていた。樹林帯を進む中、同パーティに道を譲る。
7:35 下部岩壁取り付き着。既に1パーティが取り付いていた。取り付きで2名パーティと我々のパーティの2組が待機。順番を譲り、最終パーティとなる。
先行2名パーティが1ピッチ目を登り切ったところで8:30登攀開始。
(8:10にトランシーバー交信の予定であったが持参するのを忘れ交信出来ず。下山後冨田のザックに入っていた事が判明)
晴天で風もあまりなく、北アルプスや隣の石尊稜を登るクライマー、地蔵尾根を行きかう登山者がはっきり見える。
1/13 中山尾根下部岸壁取り付き(n)2ピッチ目BP、柴崎(n)

1P 冨田リード。35m程でピッチを切り、セカンド長嶌、ラスト柴崎がほぼ同時につるべ方式で登る。取り付きより右下へ5m程トラバースし、左上するルートだが、最初の1歩で手掛かり足掛かりが捉えられず、長嶌苦戦。後ろから押し上げられる形でやっと登り始め、続く柴崎はすんなりと上がる。
2P 柴崎、長嶌リード。草付きの雪稜を25m程ダガーポジションで登り、しっかりした支点がありビレイポイントとする。
3P 冨田リード。雪稜を50mロープいっぱいに伸ばす。
4P 長嶌、柴崎リード。雪稜を登る。
上部岩壁下の雪稜(n)中山尾根ルート上から見る大同心、小同心(n)

上部岸壁下部、柴崎(t)上部岸壁下部、長嶌(t)

北アルプス遠望(n)上部岸壁取り付き、冨田(n)

5P 冨田リード。雪稜をたどり、上部岩壁基部に着く。
6P 冨田リード。凹角を直上。 セカンド長島、ロープの流れを読まずそのまま直上したため、ヌンチャクにロープが引っ掛かり抜けるのに時間を要す。サード柴崎はスムーズに続き登り切る。
7P 長嶌、柴崎リード。30mの雪稜を登る。
8P 冨田リード。フェースからハング気味の凹角を登る。セカンドの長嶌、手がかじかんでホールドを上手く使えず、何度かトライするうちにパンプアップしテンションが掛かる。一度元の場所に戻り、柴崎にセカンドを譲り、再度取り付き、身体をずり上げるように登る。ミックスのナイフリッジを登って右へまたぐと、冨田の待つビレイポイントに着く。
9P 右側ルンゼ上部のバンド状を40m程トラバースし、13:00登攀終了。
10:38頃(t)終了点、13:15(t)

登攀終了後一般道を行く(n)地蔵の頭手前より富士山を見る(n)

一般縦走路をたどり、地蔵の頭で15分程休憩し、地蔵尾根を下り行者小屋へ14:15着。行者小屋で小休止し、赤岳鉱泉着 15:15。

感想:長嶌
快晴の青空の下、風もあまりない最高のコンディションでした。
上部岩壁に出ると多少の風に吹かれましたが、見渡す景色は遠くに北アルプス、小同心、大同心、隣の尾根を登る人もはっきりと見え、岩を背に振り返ると素晴らしい眺めでした。 そんな最良の日でありながら、取り付きではもたつき、最後の凹角ではテンションが掛かる散々たる内容でとても登ったとは言えません。
ロープワークも未熟な上に寒さで手がかじかんで動かなく、反省点ばかりが思い出されます。
結論として今回の中山尾根は「登れなかった」のです。
要所要所で時間をかけてしまい、冨田さん、柴崎さんには足を引っ張る形でご迷惑をお掛けしました。渋滞待ちがあったとしても、本当なら4時間を切れたと思います。

中山尾根を振り返る(n)

冨田
難しい所は、下部岩壁の取り付き、上部完璧の凹角出口、最上部岩壁の小ハング、この3か所でした。全体にビレイポイントはしっかりしていました。

柴崎
〈この度は2人で幹事を仰せつかりながら、自分は山行計画のみに留まり、長島さんには申し訳なく思います。小屋は個室を手配して頂いたお陰で大混雑を横目に、快適な二泊でした)
【初日、2度も転倒しながらやっとこさ、赤岳鉱泉に到着の頃、新人はアイスのトレーニングを初めていた。翌日、班に別れての行動。中山尾根班はゆっくりめの6時15分スタート。思いのほか、岩に雪はなく、アイス用で前歯が長すぎたアイゼンを後悔。下部岩壁取り付で、2パーティー先行隊を待つ。1対2のツルベ。だだツルベとは名ばかりで、岩稜帯は一度もリードできずに終わり、検椶鯊隆供E个譴此⊂任訃賁未△蝓ΑΑΔ修譴任癲∪仟採任鬚呂犬瓠∪省匹房茲衂佞い討い襯劵函大同心・小同心がだんだん下にみえ、空が近くなるのは心地いい。前日に修得?した、ロープを袋に回収する方法。一本たけの処理なので、ビレイの際の送りは今までよりはスムーズ。
雪稜を進むとき、適切なランニングビレイを取らなかったため、ロープの流れが悪くなり、切らなくてもいいピッチを切ることに。 ホントに行くたび、課題あり。岩と雪を楽しむために、さらなるトレーニングが必要のよう。】
これからもご指導のほどよろしくお願いします。
また、下山報告が遅きなり申し訳ありませんでした。そうそう、大雪のため帰路で遭難?した笹川号。最寄りの駅にもだどリ付かず、笹川さんは17時間に及ぶ運転のすえ、中山駅に到着。自分はマクドナルドでビバーク?、始発を待つ。 笹川さん、最後まで本当にありがとうございました。


赤岳主稜パーティー(2013.1.13) メンバー:藤波(L)、有村、内山(報告者) 天候:快晴 風強し

4時起床、5:15 出発前夜受け取った弁当を食べて、ヘッドランプを付け5:15に赤岳鉱泉出発。
6:30 ルンゼへのトラバース 周囲が明るくなった頃、ルンゼへのトラバース直前で、有村が腰の痛みを訴える。二人を気遣った有村はその後、文三郎から赤岳、地蔵尾根を経て、鉱泉へと帰る。ルンゼトラバースはノーザイル。
7:00〜8:00 赤岳主稜取付き <1ピッチ> 既に、3パーティー7人が順番待ちという状態である。振り返ると、ルンゼ、トラバース待ちの後続パーティーが集団となっている。藤波は大きなチョックストーンがある凹角状のピッチを登ったところで、先が詰まっていた為にピッチを途中で切る。残置シュリンゲのある傾斜が 強い部分は、左手アンダーでスタンスを決め、右手で、しっかりとしたホールドをつかむ。スタンスは小さいが、開き気味に、外に求めると、左上にガバが待っている。
9:00 コルから右のテラスへ <2ピッチ> 雪はなく、露岩でビレーを取り、右上のリッジを回り込むと、しっかりとしたアンカーの箇所にでる。ここでは、先を行こうとルンゼを詰めたパーティーが横から潜入している。その為、更に待つことになる。
9:30 易しい雪稜 <3ピッチ> 傾斜はあるが、ホールドの豊富なフェースを登り、緩傾斜の雪壁を10m登る。
10:00 緩傾斜の雪壁 <4ピッチ> 続くピッチも緩傾斜の雪壁で、50mいっぱいにザイルを伸ばす。ランニングは、古いハーケンとペッツル新しいボルトが入り交じた状態である。ピッチを切るビレーポイントは、先行パーティーが使用している為、露岩を利用する。
10:30 ルンゼ状の雪壁 <5・6ピッチ> 易しいミックス状の雪壁を2ピッチ、ザイルを伸ばす。
11:00 核心部 <7ピッチ> 少し広いテラスからスタートする。ここが、主稜の核心部である。凹角に続くリッジを登り、右の大きな岩にハーケンがあるクラックを登る。先行パーティーのランニングビレーを避け、ランニングビレーを取り登る。やや広い雪壁に出て、5m登り、大きな露岩でビレーを取る。
11:15 岩稜帯からフェース <8ピッチ> 前には、右に5m程のチムニー、その左にフェースが見える。先行パーティーは、右のチムニーで順番待ちをしている。我々は、左のフェースから緩傾斜の岩稜帯にでる。そこを3m程、詰めると赤岳北峰へと続く稜線に出る。握手をして、ザイルを解き、終了する。振り返ると、雪で覆われた阿弥陀岳の雄姿が美しい。

感想:有村
時間を考慮すると、結果的に辞退して正解であった。また、怪我の功名とやらで、おそらく30数年ぶりに赤岳のピークを踏み、おまけに素晴らしいモルゲンロートを迎えることができた。

藤波
天気に恵まれルートの状態も良かったので順番待ちを除けば、楽に登れました。腹はすいてはいませんでしたが、行動食をザックに入れたままだったので途中で食べる機会を逃しました。

内山
腰痛の有村さんには、申し訳ありませんでしたが、好天に恵まれ、赤岳主稜のクライミングを楽しめました。先行パーティーやルート途中からの潜入パーティーもいましたが、11時過ぎに登攀が終了し、比較的スムーズに登攀できました。これは、ツルベで登攀したこととシングルロープで登ったことが大きな要因であろうと思われます。
また、他パーティーはボルトやハーケンでビレー用アンカーを作っていましたが、露岩をビレー用アンカーとして積極的に使用したことも時間の短縮になったと思います。


赤岳登頂班 山行記録 笹川(L)、大橋(写真(o)、渡邉(報告者、写真(w))

早出、早戻りの笹川リーダーの旗下に予定より少し遅れて集合、4時8分に満天の星に見守られつつ赤岳鉱泉を後にする。前後に人影少ない。行者小屋で一服の予定であったが、予想外に寒くなく、登り始めて40分程で一旦休憩、レイヤーを一枚抜く。寝起きのせいか、足が思うように前に出ず、先行するリーダーは早いなぁと思いつつ、行者小屋を通過。かなりのテント数だがちらほら灯りもつき始め、ゴソゴソ人が動いている様子が伺える。行者小屋過ぎて暫くして再度短い休憩、バラクラバ、ヘルメット等装着。暗闇の中どこからか「XXさーん!」と人を探す声が。だんだんと声が近くなり、主稜ルートを登るパーティがはぐれてしまった様子を知る。パーティは必ず目視できる範囲で行動することの重要性を改めて認識。

少しずつ斜度が増していき、しっかりアイゼンの爪を効かせて、上がるようにとのリーダー指示。ゆっくりだが確実に足を置いて標高を稼ぐ。途中、主稜取り付きポイント付近ではぐれてしまった別のパーティに会う。文三郎尾根に入り、空が少しづつ白みがかると共に、急に山頂側から突風がやってきた。煽られない様に耐風姿勢を取り、風の合間を見てのリーダーの'今だ、Go!'という合図に合わせて足早に前進、6時半過ぎか、山頂下の岩場に辿り着く。ここで初めてカメラを取り出し、日出間近のモルゲンロートに染まる阿弥陀岳、権現岳の優駿さに感嘆の声を上げる。その後の岩混じりの尾根は岩の上に氷が付いている個所も多く、一つ一つの足場の確保、身のこなし方について、リーダーから声がかかるのが、有難い。
7時、金峰の奥から昇る朝日を背負って登頂。ここで展望小屋方面から昇ってきた登山者に会う。


1/13 日の出(w)モルゲンロートに染まる山々(w)

岩稜を行く笹川(o)朝焼けの富士山(o)

稜線にて笹川、渡邉(o)岩稜、笹川、渡邉(o)

赤岳頂上、富士をを背に(o)頂上でそろい踏み(o)

何枚か写真を撮り、直ぐさま北側への下り。初級者には不安を伴う斜度で、慎重なアイゼンワークで足を進め、少しづつ増えてきた登り登山者と挨拶を交わしつつ、8時少し前に展望山荘着。少し休憩を希望し、リーダー(定時連絡のため)と小屋に入るが、大橋さんは太陽の光を浴びて一層元気で、外で写真撮影。どの班とも繋がらず、8時15分、そそくさと地蔵尾根からの下りにかかる。主稜ルートの説明を受けながら、登り登山者の足跡をうまく使って下り、樹林帯に入った辺りで、種々バリエーションルートのフル解説。いつの日か挑戦してやるぞと思い、頭に叩き込む。中山尾根班の無事登はんを祈念しつつ、ぐんぐん進み、10時丁度に赤岳鉱泉着。


前方に阿弥陀岳(o)下降(o)

大同心、小同心(w)鉱泉へ(o)

急ぎ朝食、大橋テントにデポしたロープをピックアップしてジョウゴ沢に向かう。ジョウゴ沢に向かう足取りは軽く、最下部でアイス練習。二番目の沢に取り付いているパーティーが居た為、遠目にリードの取り方の簡単な講習を受け、キャンディーに戻り、有村さんと合流、ロープワークの復習も兼ねて登ろうとするが、すっかりくたびれてしまい(大橋さんはひと登り、渡邉は気合いも入らず登り始めるも、すぐ降りる)。エネルギッシュなリーダーのダイナミックかつ軽やかな模範演技に圧倒される。練習不足を反省し、先々の自主トレをそれぞれに誓いつつ、小屋に戻り、早速宴会に取り掛かる。

アイスキャンディ、大橋(w)同、渡邉(o)同、笹川(o)

感想:渡邉
年末の西穂山行に続く雪山でしたが、暗い中での登頂に、ルート見落とし/間違いの可能性、パーティーコミュニケーションの重要性、夜明け前の強風等、いくつものリスク要因を認識しました。基本的な事から要所要所で細やかに指示を下さった笹川リーダー、また足取りが重くなる度に後ろから声をかけて下さった大橋さん、本当に有難うございました。赤岳山頂から見た日の出は言葉にならないくらい美しいもので、この天候で迎えてくれた赤岳と、パーティーメンバーに感謝です。迅速な行動が安全確保の重要条件である冬山、今回教えて頂いた事をよくよく反芻し、次に生かせるよう普段から練習を心掛けていきます。素晴らしい山行をどうも有難うございました!

大橋
八ヶ岳お疲れさまでした&ありがとうございました!
冬のテント泊&赤岳登頂、アイスクライミング、どれも初めての経験で楽しかったです。
新人山行にお付き合いいただいた笹川さん、計画・諸手配いただいた長嶌さん&柴崎さん、集会時や当日にいろいろアドバイスいただいた皆様、どうもありがとうございました。

笹川
初日の夕方に鉱泉キャンディのアイスバーンを使ってアイゼンワークの練習をした。ツルツルの氷のスロープに最初は腰が引けていたが徐々になれてアイゼンの刃を効かせて歩けるようになった。一夜漬けなので何度も反復練習をしてもらった。
夜明け前の出発。時間に余裕を持つことが安全への第一歩という事で早立ちを決行。装備を着けるのに時間がかかり出発時間が遅れる。小屋前の無風の状態でこれだけ時間がかかると稜線で吹かれながらと考えると危険も予想される。普段からグローブを着けて装備装着を練習してくれると時間短縮が可能だと思う。
ロープワークも、装備も普段たまにで良いから少しづつ練習を積み上げてくれれば早くレベルアップ出来るので是非。
夜明けと同時に強い風が吹き始めたが風の息継ぎの間に前進して岩稜帯に着く。二人とも不慣れな雪の斜面に比べて岩稜帯の方が無積雪期と変わりないので歩きやすそうだった。山歩きの下地が出来ているので直ぐに上達すると感じた。
折角の機会なので色々覚えて貰おうと、ジョウゴ沢や鉱泉キャンディでアイスの講習もやったが、詰め込みすぎたかなと少し反省。バリエーションをやればベルグラが張って大変な想いをする事もあると思うので、アイスを少しでもやっておけばそういった不測の事態でも慌てずに済むと思うので、機会があればアイスにも挑戦してみて下さい。
天気も良く、空気も清んで、冬のパノラマは最高の状態で見ることが出来ました。頑張った二人へのご褒美でしょう。


1/14 帰路、美濃戸口にて(o)


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