シャモニクラブ 山行記録

白毛門登山(ラッセル歩行、雪崩対策訓練も兼ねて)

日時:2月19日(日)前夜発

参加者: 冨田(リーダー)、有村(サブ)、小野、柴崎、長嶌(以上5名)

行程:土合山の家−登山口−松ノ木沢の頭−標高1620mのピーク−松ノ木沢の頭−土合山の家

ラッセル訓練は樹林帯上部にて、雪崩対策訓練は下部樹林帯にて実施。

前日の5時過ぎに上毛高原駅からタクシーで土合山の家に向かったが、土合に近づくにつれて積雪が深なり、雪も強くなってきた。運転手さんの話では明日は曇りとのこと。なんだか心配。ともあれ、小屋の夕食はなかなかリッパ。この時期はカニがでる。 この日は、都岳連の講習会の参加者もあり、他の白毛門登頂のパーティもあったようで、食堂(二か所)は大変にぎやかでした。

2/18 カニと餅豚の夕食(O)2/19 土合山の家前で(A)

 翌朝の朝食は7時からということで、出発が8時過ぎになってしまったが、雪は夜半に止んで、晴れ間も垣間見える陽気となった。登山道にはいるとすでに踏み跡があったが、それほど大勢が入っている気配ではない。ともあれ元気な柴崎、長嶌を先頭に、小野、冨田、有村の陣形で、ときどき先頭を交代しながら進む。ただし、長嶌はいつになく沢山の朝食をとったので、やや足が重い感じだ。 

ワカンをつけてラッセル歩行(A)

 樹林帯を歩きながら、時折木立の切れ間から見える谷川岳東面の景色を見ながら登高し、樹林帯上部の踏み跡がワカンになって間もなく、我々もワカンを装着し、慣れたころに、トレースから外れて、自ら道を開くラッセル歩行を始める。膝上くらいの深さで、なおかつ雪が軽いので、それほどの負荷があるわけではないが、やはり初めての経験の柴崎、長嶌にとっては、勝手が違うようである。

ラッセル歩行の練習(O)同(O)

 松ノ木沢の頭にでると一挙に眺望が開け、白毛門が真っ青な空に白銀の頂を見せる。ただし、上部にはトレースが見えず、この時期はまだ登頂はされていない様子である。一方の谷川岳の東面は一ノ倉沢を鳥瞰できる絶好の場所であるが、稜線付近の雲がなかなか消えず、とうとう下山するまで、頂上を見せることはなかった(下山途中のルート下部で稜線を確認できた)。 

谷川岳東面(O)谷川岳主稜線(O)

 私は途中から先頭を歩き、折から次から次に登山者が戻ってくるので、一人に登頂したのかと尋ねると、途中の壁に阻まれて前に進めず、戻ってきたとの由。しばらく進むと、踏み跡が止まってしまっている吹き溜まりのような小山が見えるが、越えられないとは思えない。さすがに、冨田は私がアイゼンからワカンに履き替えている間に、その壁を難なく乗り越え、ルートを開いていた。私はそこからさらに先の、小ピークまでルートを伸ばし、そこでお昼ということになった。ここから先は一切の踏み跡がない。
雪壁を試登する有村(O)アタックする冨田(N)

壁を突破する冨田(N)壁を越えて先へ(N)

一歩先へ(N)同、柴崎、長嶌(A)

冨田(A)柴崎、長嶌(A)

お昼を過ぎて、あと標高差100mを残しており(ルートがないので、深い雪のラッセルを強いられるが、ワカンは2台しかない(他の3人はただし、途中で外したワカン・スノーシューをデポし、アイゼン歩行に切り替えていた)。 また、時間の制約もあり、冨田の判断でここで引き返すことに決定。

最終到達点(A)白毛門(A)

 下山は、柴崎、長嶌がキャーキャー言いながらシリセードで大変にぎやかな山行となった。あまりの上天気で鳥がピーピー鳴いていたのが印象的だった。

下山開始(N)下山路(O)

 登山道下部の樹林帯で、仲間が雪崩で雪の中に巻き込まれ行方不明になったという想定で、ビーコン、プローブ、スコップを使って、発見、救出の訓練をして、山の家に戻り、帰途についた。

幸いに天候はまずまず(欲を言えば谷川岳東面の全貌を見たかった)だったが、この時期、トレースがないため、日帰りでは無理だったかもしれない。やはり、3月の声をきいて気圧配置が安定して、雪もしまってからがベストシーズンか。ともあれ、ラッセル歩行の訓練と雪崩対策訓練と1600m超まで登れたことで良しとしよう。『以上、小野が報告』

ビーコンによる遭難者探索(N)プローブ、スコップで探索、救出(N)

コメント!:冨田
成人したばかりのころ、同時期にラッセルを続けて登頂し谷川東面の岩壁群のパノラマに感動したのを思い出した、楽しい山行でした。あれから○十年、今も山に登れることはとても幸せなことです。皆、山へいこうよ!。

感想:有村 好天に恵まれ、同じ冬山でも年末の西穂の時とは全く違うまるで春先の穏やかな登山でした。
先行した登山者が、トレースが途絶えた所にあるちょっとした雪壁を越えられず皆引き返した中、多少なりともその先にルートを開いたのは、ハイカーではなくアルピニストを自負するシャモニクラブの意地でもあったかと思います。
1600mを越えた地点で撤退したが、朝6時頃小屋を出発していれば残りの標高差約100mをラッセルしてもピークに到達できたのではないかと思います。
紺碧の空に輝く白銀の峰を目の前にしていただけに、満足感の中に多少の悔いも残りました。やはり山は早立ちが鉄則だと改めて感じました。

感想:柴崎
出発時刻まで自分に合わせて頂き感謝しています。ありがとうございました。今回はラッセル訓練ということで、先頭を任されましたが、スピード調整が上手くいきませんでした。
 トレースはあるものの、一歩が大きく、しかも勾配があるため一段が高い。長嶌さんにはきついだろうなと感じながらも、段を低く蹴り直すのは大変で、そのまま跡を使うかたちに・・・。呼吸が乱れない程度の速度と分かっていながら、体は自分の呼吸のペースで・・・。反省していますm(__)m。

 また、初めてはいた輪カン。勾配のあるトレースのところを歩くのが大変でした。どこに重心を置くのか、爪を支点に使うか・・・考えているうちにズルズル下る・・・。 まだまだ修行が必要のようです。本命のラッセルは、トレースの脇で体験。膝上、膝下の違いでも労力の違いは歴然。嬉しげ?にラッセルしていたら、小野さんは遥か遠くに・・・。

 その後、またもシャモニクラブの真髄?をみました。壁?にぶつかり引き返すパーティーを見送り、壁?を潰す冨田さん。他のルートを捜す有村さん。低くなった壁から突き進む小野さん。

 お三方と晴れ女の長嶌さんのお蔭で自分達の足跡しかない所に立ち、青空に映える白毛門や谷川岳を拝むことができました。
 帰り道は、長嶌さんが準備してくれた、そりで尻セード。これがまた楽しくて・・・。 いっばい笑って免疫力かなりアッブさた感じです。・・・太ももの筋肉痛はないけれどお尻が痛い・・・雪崩捜索の研修もあり、有意義な1日でした。皆様、ありがとうございました。

感想:長嶌
今回の山行は、「ラッセル訓練」と言うことでしたがどこまで歩けるか少し不安でした。 ワカンをつけて歩くのも初めてだし思うように足が前に進まず、雪をかき分け歩くのは 本当に体力がいるのだと体験して初めて分りました。
実際にラッセルをしたのは数メートルでしたが、良い経験が出来ました。登頂は叶いませんでしたが、雲の合間に見える、谷川岳一ノ倉沢は素晴らしかったです。下りはお尻で滑って、これも楽しかった!
ビーコンやプローブも実際に使ってみることが出来て勉強になりました。そして今回もまた楽しい2日間を過ごさせて頂き、みなさんに感謝です。ありがとうございました!

下山ごに仰ぎ見る白毛門 (N)

写真提供は、有村(A)、長嶌(N)、小野(O)


山行記録Topへ